トイレと爪とぎのしつけ
排泄物を隠す習性の由来
家畜化される以前の猫は、大きな外敵から身を隠すため、自分の存在がばれてしまう排せつ物を砂や枯草で覆い隠す習性を身に付けました。
排泄物を隠すことは、自分の命を守るために必要不可欠。
その習慣が今でも残っており、それでトイレのあとにはあんなに一生懸命掘って隠すというわけです。
今では、人間がペットとして猫を飼う場合、犬などには見られない優れた長所となっています。
子猫は排泄できない!?
子猫は、生まれた直後から3週間くらいは自分で排泄することができません。
なぜなら、母猫が不在の時に子猫が排泄すると、その匂いが外敵をおびき寄せる恐れがあるためです。
そのため、母猫がおしりをなめて刺激すると、「泌尿生殖器反射」という運動作用が起こって排泄できるようになり、排泄物は母猫がすべて舐めて処理します。
泌尿生殖器反射は、生後23~29日で消失、その後母猫の真似をしてトイレに行くようになります。
そして、子猫は決まった場所で排泄し、排泄物を砂などで隠すことも覚えるのです。
トイレの覚えさせ方
猫用トイレに猫砂を入れておけば勝手に覚えることもありますが、そうでない場合もあります。
まず、猫用トイレはなるべく静かなところで部屋の角など隅っこに置きます。
そして、床の匂いをしきりに嗅いだり、グルグルと落ち着きなく動いたり、床を掘るような仕草を見せたら、トイレへ連れて行きます。
猫には同じ場所でトイレをする習慣があるので、何度か繰り返すことで自然とトイレの場所を覚えてくれます。
新しいトイレを買ったときなどは、以前のトイレからその猫のにおいの付いた砂を入れておくと、その場所がトイレであることを認識するようになります。
猫はとてもきれい好きで、汚いトイレだと使わなくなってしまうので、毎日1回は掃除するようにしましょう。
爪とぎと縄張り
爪とぎは猫にとって必要な身づくろいで、武器である爪を解いで手入れをする(古い爪をはがす)と同時に自分の縄張りをアピールするという役割も担っています。
前足でツメを研ぐ際には、足の裏から特別なにおいを出して縄張りの証拠を残します。
猫にとって爪とぎは、「一番目立ちかつ他の猫や動物たちに自分の存在を強く印象付けられるところ」が最適になります。
そして、その場所は自分の縄張りの中心部で、家の中で爪とぎをするときも普段活動している範囲のなるべく中心部分で爪とぎをしようとします。
爪とぎ場所は中心に
よく、爪とぎを家族の目につかない部屋の隅や目立たないところに置いていますが、それは猫本来の修正を無視しているということになります。
それで、せっかく爪とぎを買っても使ってくれず、大事な椅子やソファー、じゅうたん、柱などで爪とぎしてしまうのです。
一番良いのは、猫の活動圏内中心にある柱で、その周りに段ボールを巻いておけば喜んで爪とぎをし、ほかの場所ではあまり爪とぎをしなくなります。