大切な猫のヒゲ
昔から「猫のヒゲを抜くとネズミを捕らなくなる」と言われるほど、猫にとってヒゲは重要です。他の毛に比べ、3倍も深く皮膚の下に埋まっているので簡単には抜けませんが、強く引っ張ると痛みが走るのでやめてください。
英語でヒゲは「whiskers」と言い、「the cat’s whiskers(猫のヒゲ)」でとても素敵なこと、とびきり上等な人、という意味の慣用句で使うこともあります。
猫のヒゲセンサー
猫のヒゲは、口の左右、両目の上、両側の頬、あごの合計4ヶ所に生えているほか、よく見ると前足の後ろ側にも生えています。根元は太いものの先端は非常に細くしなやかで、空気の微かな動きも感知できます。
毛根の周りには知覚神経がたくさんあって、ヒゲの先端が何かに触れるとその情報がすぐ脳に伝わり、「感覚毛」とも呼ばれています。
猫が狭い場所を通るとき、障害物への髭の当たり具合によって通れるかどうか判断しているというのはよく聞きますね。
生まれたばかりでまだ目の見えない赤ちゃん猫も、このヒゲの感覚は機能していて、母猫の乳を探すのに役立てています。
感情も表現する
猫のヒゲは、優れた感覚器官という役割だけでなく、その形や状態で感情を表現することもあります。
感情とヒゲの状態
- 平静時は、自然に垂れ下がっている。
- 嬉しい時やほめられた時は、ピンと伸ばして10時10分の角度になる。
- 周囲の様子を探っている時は、顔いっぱいに広げている。
- 興味が引かれたり警戒すると、鼻より前方に向かって伸ばす。
- じゃれて遊んでいて、飛びつき狙う時にもヒゲが前を向く。
- 恐怖を感じた時は、頬の方に引っ張られるようにペタッとくっついている。
- ウトウトして寝ようとしている時、角度が狭まり頬の方に付く。