猫は甘味が分からない
人間と猫は、味覚がかなり異なります。
なぜなら、雑食性の人間と違って、猫は肉食動物だからです。
食べ物の味には「甘味、塩味、酸味、苦味、旨味」の5種類あり、これを舌にある味蕾(みらい)という部分で感知します。
人間はどれも感じ取ることができるのですが、猫は苦みと旨味を強く感じ取る一方、甘みを感じることがほとんどできません。
また、塩味と酸味もあまり感じ取ることができず、塩分の高いものを平気で食べてしまうので注意が必要です。
仮に猫の体重が4㎏だとすると、大人の人間の15分の1ほどしかなく、人間にとって少ない量でも猫にとっては体重当たりの接種量は15倍にもなってしまいます。
なぜ、猫が苦みに敏感かといえば、自然界で毒のあるものを口にしないよう、毒性に多い苦みに敏感になったと考えられています。
旨味は、動物性たんぱく質に含まれるアミノ酸に多く、肉食動物の猫にとってぴったりです。
苦みに加え旨味がより分かることで、肉の鮮度や腐ったものを食べ分けることができるようにもなったのでしょう。
逆に、人がおいしいと感じる甘味に対する感覚はほとんどなく、たまにそういったものを食べる場合もありますが、これは旨味に反応していると思われます。
味覚の前にまず匂い
猫は、まず「匂い」で食べられるものかどうかを判断します。
そのあと口に入れて、危険なものを含んでいないかどうか判断するために味を確認します。
次に重要なのが「食感」で、大きさや硬さ、冷たいなどの感覚があるとうまく食べられずやめてしまいます。
そして、味覚で「旨味」を感じ、動物の肉を食べてたんぱく質を摂取しているという満足感を得ると考えられています。