鳴くのはイエネコ特有の現象
野生では、猫は大人になるとあまり鳴かなくなります。
なぜなら、鳴いて音を発してしまうと獲物が逃げたり敵に見つかる危険性が高まってしまうからです。
子猫の時に、母猫に自分の居場所を教えたり、困った時に助けを求めるため鳴き声を上げるくらいです。
しかし、イエネコの場合、鳴くと飼い主がエサをくれたり何か良いことがあるので、コミュニケーションの手段として鳴いていると思われます。
鳴き声の意味は、ざっと分類すると約20種類になると言われていますが、大きく分けると2種類、相手に向かって呼びかける時と威嚇する声に分けられます。
呼びかけの鳴き声
ニャー
ニャーやニャオ、ミャアなど、最も一般的な猫の鳴き声ですが、もともとは子猫が母猫に向かって出す鳴き声です。
そのため、「お腹が空いたよ」、「遊んで」、「ここを開けて」など何かを要求したり訴えるために鳴いていると思われます。
鳴いた時に、飼い主がエサを上げたりドアを開けたりすると、「何かしてほしい時は鳴けばいいんだ」と理解するためイエネコはよく鳴くのです。
ニャア~ン
何かを強く要求するとき、語尾が上がるように高めの声で鳴きます。
「遊んでよ」など誘いの意味が多いです。
ニャッ
簡単な挨拶として、短く鳴くことがあります。
通常、猫同士の挨拶は鼻をくっつけるなどのボディランゲージなので、鳴くようになったのは人間との暮らしの影響と思われます。
クククク
ケケケケや、キャキャキャキャと聞こえる時もあります。
短くて速い鳴き声で、獲物を見つけた時や捕まえようとして逃げられた時など、狩りの時や遊んでいて少し興奮しているときに発します。
フー
人間がつくため息のような音を出すことがあります。
人の場合は悩み事が原因でため息が出ますが、猫は違います。
集中しているときの休憩や、気分を落ち着かせるためにフーという音を出します。
威嚇の鳴き声
シャー!
威嚇の声で、近づいたら攻撃すると相手に警告しています。
同じ威嚇でも強気と弱気があり、強気の威嚇は堂々とした姿勢であるのに対し、弱気の威嚇は腰が引けていたり耳が倒れていたりします。
生まれて間もない子猫でもこの声を出して威嚇することがあるので、本能的な行動と言えます。
ミャ~オ~~
唸るような長い鳴き声で、声の高さが高くなったり低くなったりします。
けんかの初期段階で上記「シャー!」と威嚇したあと、お互いに引かずいよいよけんかになりそうな時に発して相手を威嚇します。
ギャア!
けんかで相手にかみつかれたり、人間にしっぽを踏まれた時など、痛みや恐怖を感じた時にギャアと叫びます。
交尾が終わった時のメス猫も、オス猫のペニスにとげがあり引き抜く際に痛みを生じるため、この叫び声を上げます。