人間は大きくてのろまな猫?
「In the eyes of a cat, all things are reflected as belonging to the cat.」
「猫の目には、すべてのものは猫に属していると映っている」
と英語のことわざであるように、猫にとってはすべての所有物が猫のものに見えています。
犬は犬同士と人間との接触で態度を変えますが、猫は猫同士の時と同じしぐさ・態度をとるため、人間のことも人として見ておらず、「体の大きくてのろまな猫」と見下しているという説もあります。
しかし、猫は家畜化されてまだ間もなく、人間との関係はまだ流動的で、猫が人間をどう見ているかについて決定的なことは断言できません。
猫が飼い主に獲物を持ってくる流れ
猫は、たまに飼い主にプレゼントするかのように獲物を持ち帰ってくることがあります。
このようなときは、自分を親猫、人間を子猫とみなして持ってきているように見えますが、そうではありません。
なぜなら、雄猫や子猫のいない雌猫は獲物を巣に持ち帰らないからで、ホルモンと子猫の組み合わせがそろってこのような行動をとるからです。
また、飼い主に獲物を持ってくるのは、「人間がのろまで狩りができないから、代わりに取ってきてあげた」というものでもありません。
猫が獲物をとったが、他の猫が寄って来てしまうのでそれを避けるため飼い主の近くまで持ってきたが、獲物を食べてみるといつももらっている市販のキャットフードよりはおいしくなかったので、飽きて単に捨てただけ、だと思われます。
ストレスホルモン量の観察
科学者が、人間になついている4匹の猫とそうではない4匹の猫を檻に入れ、毎日呪医の診察を受けさせました。
この結果、慣れていない猫のコルチゾール(ストレスホルモン)の量は増加し、慣れている猫の方はさらに高くなっていました。
それは、慣れている猫が檻に入れられたことでストレスがたまったのですが、その後獣医による診察が始まるとストレスレベルが下がりました。
つまり、慣れている猫は放っておかれると少し動揺するが、人間との接触で心を落ち着かせる効果があったということになります。
感情を出さない猫
犬と違い、猫が感情をあらわにすることがないのも、もともと単独行動でほかの猫全員がライバルになる状況で、喜びの声を上げてしまうとばれてしまうので特にならず、ライバルに苦痛を感じていたり具合が良くなかったら、その弱点によってライバルに追い払われてしまうので、不快な兆候を一切見せずにしようとしています。
つまり、猫のように単独行動の動物は、ほとんど感情を外に見せない個体の方がより多くの子孫を残せたので、進化によって過剰な感情表現が除外されたと思われます。
人間を、大きくてのろまな猫だと思っていないとしたらどう見ているか、ということですが、猫同士が体をこすりつけあうとき、自分より劣った猫に対してはすり寄せないので、少なくとも猫が人間を下に見ていることはないでしょう。